1. 日本水文科学会について

水文学(Hydrology)・水文科学(Hydrological Sciences)とは?

水文学は地球上の水循環および分布状況,物理的・化学特性,および生物的環境と水の相互関係を取り扱う学問です。この中の基礎水文学にあたる部分で,自然科学的なアプローチを重視する分野を特に水文科学(Hydrological Sciences)と呼んでいます。

学会の設立と学会の構成

日本水文科学会は1987 年6 月に水文学に関する研究を推進させ,会員相互ならびに国際間の学術交流を図ることを目的に創立されました。現在,約220 人の個人・団体会員を擁し,大学・研究所の研究者,民間の技術者を中心に,中・高校の教員,官庁の実務担当者,学生・院生などの広い層の会員から構成されています。

学会における研究活動

主な研究対象は,降水,氷雪,蒸発散,湖沼,河川,土壌水,地下水,流出,浸食と堆積,水質,水資源システムなどで,特に地域の水循環プロセスを,地形,気候,地質,人間活動との関連において科学的に解明する活動が盛んに行われています。 学会誌「日本水文科学会誌」について本学会の会誌である日本水文科学会誌(Journal of Japanese Association of HydrologicalSciences)は,学会の起源となったハイドロロジー談話会の機関誌「ハイドロロジー」として1967年に創刊されました。その後編集は本学会の前身である水文学研究会(1977 年発足)によって引き継がれ,学会発足後は学会誌として巻を重ねるとともに,誌名を1997 年に現行に改め,今日に至っております。会誌は46 巻(2016 年)より年3 回発行されてきましたが,53巻(2023年)よりJ-Stageでの随時公開(オープンアクセス)と12月の年1回冊子体の刊行となりました。なお,総説,論文,研究ノート,資料は複数の査読者による審査を経て掲載されています。

2. 活動内容

主な活動内容

  1. 学術大会の開催(年一回・秋季),シンポジウム,研究会,巡検などの開催・学術大会へは,共同研究者の会員がいれば,非会員の方でも発表できます。
  2. 学会誌「日本水文科学会誌」の刊行(J-Stageでの随時発行(オープンアクセス)、12月の年1回冊子体の刊行)
  3. 研究グループの活動助成
    ・会員の研究活動の活性化,会員相互の情報交換促進のために研究ワーキンググループの設置を奨励し,その活動を学会として補助しています。
  4. 他学会との連携
    ・地球惑星科学連合に加盟しています。
    ・国際水文科学協会(IAHS)の国内対応学会の一つとして活動しています。